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色々ごちゃまぜです。 NL、BL問わずに書かれることもありますので、閲覧し際しましてはご注意ください。 とりあえず、気になったことを気ままに書いております。
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タナッセはレハトと幸せになってほしい。

タナッセ×レハト


「いやぁ、本当にお二人とも仲がよろしくて」


辺境の、新たにタナッセが任せられた土地では、そういった類の台詞が挨拶代わりになっている。
今朝も、二人揃って執務室にいたところ、領主の補佐役である初老の男の朝は、そんな言葉から始まった。


「ええ、おはよう」


そして、挨拶に応じるのは決まって私だった。


「……」


タナッセはといえば、いつもむっつりと口元を結んでそっぽを向くだけだ。
短く「おはよう」と返す以外は言葉もない。


初老の彼は、そんなタナッセの様子には慣れているので、別段気に留めたふうもなく、仕事に取り掛かるべく部屋を出ていった。


毎朝のことながら、一言くらい返せば良いのにと思いはするのだが。


タナッセに気付かれぬよう、私はくすりと笑みを漏らす。
横目に見た彼の頬は、わずかに赤い。
挨拶代わりに送られる言葉に反応しているのは明らかだ。


もしかしたら、他の役人たちもタナッセが赤面していることに気付いているのかもしれない。
だからこそ、返事がなくとも同じ言葉を繰り返す。


そうだとしたら、私たちは何て幸せなのだろう。
歓迎されていることが分かった。


「何をニヤニヤしている。遊んでいる場合じゃないだろう。さっさと仕事を始めろ」


私に気付いたタナッセは、たいそう渋い顔でそう言った。
顔はまだ赤いと告げたら、きっとさらに顔を赤くして怒鳴るのだろう。


それは容易に想像ができたけれど、怒鳴られる趣味はないので、素直にうなずいておく。


「分かったよ」


「フン」


机に並べられた書物を広げ始めたタナッセを見ながら、今日も穏やかな1日が始まったなと思った。
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