色々ごちゃまぜです。
NL、BL問わずに書かれることもありますので、閲覧し際しましてはご注意ください。
とりあえず、気になったことを気ままに書いております。
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更新は激しく遅いけれど、忘れてはいないよ。
今日はカイの誕生日ですね!
久々だったけど、やっぱカイは書きやすいなあと思います。
続きからバースデーSSです(^v^)
「なっ・・・!?」
自室のドアを開けた瞬間。
部屋中に満たされたバラの花を目の当たりにしたカイは、それ以上の言葉を失った。
それくらい、いつの間にやら自室は変貌を遂げていたのだ。
仕事へ行く前は、いつも通りだったはずだ。
整った室内の中にある、真っ白いシーツとベージュのカーテンが清らかな、自分の落ち着ける空間。
書斎は隣の部屋なので、仕事の気配は一切ない部屋だ。
それが、である。
所狭しと並べられているのは、目にも鮮やかは真っ青な花弁のバラである。
かつては不可能の象徴とさえされたそれが、部屋いっぱいに敷き詰められている光景は、驚嘆するに値する。
驚きはしたものの、美しさは本物だ。
まるで夢の世界である。
「あ・・・」
その時カイは、ふとつい二、三日前のことを思い出した。
「おい」
仕事をしている途中に、いつの間にか眠ってしまったらしい。
カイは書斎の机に突っ伏しているところを、堂々と不法侵入してきた男に起こされた。
「ソルか。すまない。寝ていたようだ」
「別に、謝る必要はねえだろ」
ソルは呆れたように肩をすくめた。
言いたいことは何となくわかる。
休むときに休まないと、いざというときに力が出ない。
それは戦場での掟だった。
日常においても、似たようなことは言える。
「相変わらずだな、お前は」
珍しくソルは、気遣わしげにカイを見た。
「仕事以外、したいことはねえのか?」
「え?」
問われた意味が一瞬分からなくて、少しだけ考えてしまった。
そんなに仕事しかしていないように見えているのだろうか。
「したいことは幾らでもあるさ」
「たとえば何だ?」
「たとえば? そうだな・・・」
具体的に訊かれると、何から答えて良いものか。
カイはぱっと頭の中で思い浮かんだことを口にした。
「ああ、たまには植物に囲まれてみたくなるな」
「植物だと?」
「ああ。綺麗な花を見ると、心が癒されるだろう?」
「・・・そうか」
「?」
――――そんなやり取りがあった。
その後、真意を問おうとしたのだが、
「癒しが足りねえなら、癒してやる」
と、妙に上機嫌になったソルに襲われてしまったので、訳は聞けずじまいになっていた。
これが、答えだ。
そう思うと、何故だか笑みがこみ上げてきた。
「まったく」
当人が姿を見せないのは、さすがに恥ずかしかったのだろうか。
どんな顔をして花屋へ行ったのだろう。
想像するほどに笑みは深くなっていって。
「かなわないな、お前には」
嬉しさがあふれ出す。
カイは視線をカレンダーに移した。
十一月二十日。
間違いなく、彼女の誕生日だ。
「こういうところは律儀なんだな」
普段は目に余る大雑把行動をしているくせに、こういうマメな部分は意外な半面、嬉しさの効果を倍増させる。
カイは一輪バラをとって、そっと唇に押しあてた。
「ありがとう」
たとえ今、音声として言葉は届かなくても。
胸を満たす幸せへの感謝の気持ちは、ソルに届いていると良いと思った。
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