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色々ごちゃまぜです。 NL、BL問わずに書かれることもありますので、閲覧し際しましてはご注意ください。 とりあえず、気になったことを気ままに書いております。
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久々です。
このカップリング(^^)v

一刀斎×紗依



のんびりと、川辺を歩く昼下がり。
川沿いには桜並木が連なっている。
短い桜の季節が終わり、目にも鮮やかな新緑が、2人の頭上に降り掛かる日の光をまばらに散らしていた。


「今日は本当に良いお天気ですね!」


数歩先を歩く紗依は、ご機嫌だった。
それにつられて、ついつい一刀斎の口元も弛む。


あてのない贖罪の旅を続ける一刀斎と、それにつき従う紗依の2人は、桜の咲く少し前から、この街に滞在していた。


理由は至極簡単、紗依が春先の風邪にやられたのだ。
初めは気丈に振る舞っていたものの、そのようなやせ我慢が逆に病状を悪化させたため、一刀斎が無理矢理この地に宿をとったのだ。


ほぼ軟禁状態に近い看病の日々は、紗依からひとつの咳も出なくなるまで、実に一月近くも続いた。
その間紗依からは幾度となく、


「もう、大丈夫ですから」

という申し出を受けてはいたものの、一刀斎は一切受け付けなかった。


ようやく今日、久しぶりに外に出られた紗依の晴れ晴れした気持ちは分からなくもないが、一刀斎の内心は少し複雑だ。


――――もう少し、閉じ込めてやっても良かったかも知れぬ。


そんな言葉が浮かんで、我ながら可笑しかった。


「一刀斎さん!」


不意に紗依が振り返り、一刀斎との距離をずいと詰めた。
彼女の頬は、そこだけまだ桜が残っているかのように、薄く紅が差している。


「私、こうやって一刀斎さんと歩くこと、凄く好きです」


ほんのり笑んだ紗依が、一刀斎の手を取る。
温かい手だ。
それでいてほっそりしている。
触れたら溶けてしまいそう。


一瞬戸惑ったものの、それでもこの手を離すことなどできぬ話だった。


「ふ…。物好きな女だ」

「ふふっ」


一刀斎の反応に、紗依は嬉しそうだ。
拒絶されないことが一番だったのだろう。
そのまぶしげな笑顔に、さらに一刀斎も心が満たされていく。


頭の上には、からりと晴れた、抜けるような青い空が広がっている。
気恥ずかしさを抱えながらも、2人はのんびりした足取りで、手をつないだまま初夏の川原を歩み続けた。
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